森永あい先生の訃報によせて
【訃報】 漫画家・森永あい先生が逝去されました
— 別冊フレンド編集部 (@betsufure) August 9, 2019
漫画家の森永あい先生が8月2日早朝に体調を崩され逝去されました。
先生の突然で早すぎる訃報に接し悲しみを禁じ得ません。 pic.twitter.com/K1bHNmxUhX
森永あい先生の突然の訃報に悲しみを禁じえません。
華やかで可憐なイラストと、ハイスピードで瞬発力のあるギャグのギャップが魅力的だった先生の作品には、常に元気と笑いと、時間を忘れる楽しさを与えてもらいました。
いわゆる「王道展開」を扱うことが多かったと思いますが、王道を独自に料理し、まったく新しい新時代のストーリーに作り上げていくような先生の作品は、いつも先が読めず、続きが気になり、新刊の発売を楽しみにしていました。
個性豊かなキャラクターたちが作品の中を暴れまわり、ハッピーエンドまでパワフルに突っ走っていく。先生の描き出す明るくて楽しいハッピーエンドが大好きです。
森永あい先生のお話の何が好きって、本当にキャラクターがみんなめいめい勝手なようでいても「自分勝手」に生きている人がいなくて、みんな周りの人や自分の好きな人に一生懸命になれる人たちで、社会常識や自分の中での譲れない誇りを軸にして、実に鮮やかにいきいきと生きているところです。
繊細でかわいらしいキラキラした作画でぶっ飛んでくるパワーワードやバイオレンスもそのギャップが面白くて。
「彼らと友達になりたいな」とかじゃなくて、「ずっと賑やかな彼らを見ていたいな」っていう、関わりたくないけどずっと彼らが楽しく生きていてほしいなって思えるところが、個人的に感じるほかの作品にはない大きな魅力の一つでした。
森永あい先生の作品を読むときに、私は常に「傍観者」でいられました。
感情移入して泣いちゃうとかもありますが、基本的には「個性的で楽しい彼らを眺めていられるのが嬉しい」という感覚でした。私にとって、とてもいい意味で森永あい先生の作品は「フィクション」だったのです。
没入感の高いものも素晴らしいですし、完全に自分と切り離してもこんなに楽しい!と思える作品も同様に素晴らしいと思います。
現実ではありえないかもしれないことがたくさん起こり、現実では難しいかもしれないハッピーエンドに向かって、速度を落とすことなく邁進していく。その中で起こるどんな出来事もキャラクターの心を富ませ、成長させ、読者の心にさまざまな感情の種を植え付けていく。
「フィクションとしての作品」の楽しさを、とびっきりのパワーで教えてくれたのが森永あい先生でした。
今回森永先生の訃報をうけて、本当に言葉に出来ないくらい悲しかったのですが、漫画家さんは亡くなった後もその作品が読者の心にずっと残り続けるんだなぁという事も実感しました。
森永先生の作品はこれからもずっと永遠に大好きだと思うし、元気がない時にひらいて笑顔をもらうと思います。
ずっとずっと御村と千本木が好きだ!!!!!!!!!!!!!!!!!
心から楽しめる作品をたくさん生み出してくださってありがとうございます。
森永先生のご冥福をお祈りいたします。