おたくで幸福を科学できるのか。

信仰とおたくを心のままに綴ります

シヴァ様のフェイトエピソードがとても興味深い

寒い日が続いておりますが、体調を崩さず健康にいたいです。あっという間に年末ですが、大掃除はこれからです。来年もみなさまにとって素敵な一年になりますように。

さて。そんな寒さを吹き飛ばす我らがシヴァ様がついに実装されましたね!サーバーが落ちたりTwitterではトレンド1位に君臨するなどさすがシヴァ様な降臨の儀が三次元でも行われました。

シヴァ様実装発表の前から、来たるシヴァ様のために貯蓄をしていたので心置きなく放出し、無事に手元にシヴァ様がいます。強い。風古戦場の前にいたら顔のいいシヴァ様で顔のいいフレイを殴るという夢のような戦場になったのかもしれません。まさか古戦場はヴァルハラだった…?グリームニルの新たな言葉が地上に生まれるところでした。

 

タイトル通り、シヴァ様のフェイトエピソードがとても興味深かったのでブログを書いてみようと思いました。

シヴァのフェイトエピのネタバレをしますので、ご注意ください。

 

シヴァ様のフェイトエピソードをざっくりと説明すると、

疫病に苦しむ市民たちの祈りによりシヴァ様顕現→病床で死を待つのみの少年の「きくうしさま…たすけて…」という祈りが急に眠っている主人公に届く→助けに行く主人公!→シヴァ様「汝に何ができる。力を示せ」→少年と主人公が対面!主人公「希望を捨てたらいけないよ」→シヴァ様の“救い”と主人公の祈りで奇跡が起こる!→シヴァ様「やばい」 少しまじめなのはこちら *1

 という感じです。

 

今回のフェイトエピって、普通に読んだら「ご都合主義」で「突っ込みどころしかない」し「話が破綻して見える」こともある気がします。

少年の祈りがどうして主人公に届いたのか。なぜ少年の街が分かったのか。シヴァ様の炎を纏うだけで疫病から身を守れるのか。なぜ奇跡が起こったのか。その奇跡がなぜあのような形になったのか。など、全体的に「祈り」による「奇跡」の連続でした。

「信仰」を描くと確かにそうなるなぁと思うことの連続だったので、面白かったし興味深いと感じました。

 

「信仰」と「祈り」、そして「神」と「人」の関係

 まず市民の祈りによってシヴァ様が街にやってきたことも一つの奇跡です。それだけ街の人々が絶望していたこともそうですが、心から神へ祈っていたということでもあります。

そして、シヴァ様を呼ぶような奇跡があるのであれば、主人公の夢に介入するというのもひとつの奇跡の連鎖としてあり得ることだと思いました。ひとつの奇跡によって神とつながり、次々と不思議なことが起こっていくのも信仰という観点から見るとごく自然ですが、描かれていると新鮮でした。 

 

「祈り」について

今回のフェイトでは主人公のまっすぐな「祈り」が、破壊神であるシヴァ様が街の人々へ与えた“救い”と作用し、街の人々の本来の運命を捻じ曲げ、街全体が疫病からの回復という奇跡を起こしました。

シヴァ様が街の人々へ与えた“救い”は要約すると、悉くを焼き尽くし、今世の苦しみを終わらせ、次の転生へ送るというものだと思います。つまり死をもたらし、シヴァ様の力によって転生へと導くということでしょうか。グラブルの世界では転生輪廻について語られていないので、シヴァ様の救いが転生をもたらすものなのか、そもそも人は転生しているという前提があるのか気になるところですが…。信仰者としては当たり前に輪廻してもらいたいですがそれはさておき。

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即答するシヴァ様大好き。

読みながら「あるんだよビィくん!」と思っていましたが、シヴァ様が即答してくました。祈りにはそんな力があるんです。

これはわたしが信仰を持っていて、「祈り」の意味やそれによって起こせる奇跡についてなど、宗教的な部分を肌身に感じているから理解できることかもしれないと思いました。

この言葉だけですべて「そうなんだよね!」って解決してしまうのです。神への信仰や相手を助けたいという素直な愛の想いから起こす奇跡が存在すると信じられれば、このフェイトエピソードはすべて納得がいくし、とても素敵なフェイトなのです。

ちなみに主人公が祈っていた時の心境はこちら。

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自分のためでなく、相手のために自分を差し出す気持ちを持った祈りになっていて、奇跡はこうやって起こせるんだよ。祈りはこうやって届けられるんだよ。というお手本のようなお話だと思います。いると確信しているとなおよかったですが。

願わなければ何も始まらないように、祈らなければ奇跡は起こせません。

そして、シヴァ様は奇跡を授かった人々のことを「本道に立ち返った」と言っていますが、これは今後疫病がはやらないように自分たちで努力をしなければならないということなのか、ご神木の腐敗からくる疫病だったので不信心をどうにかせよなのかその両方なのかが少し気になります。後者かなと個人的には思いました。

理由は続くこちらの言葉。

 

「神」と「人」の関係について

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神々の力の源はもちろん人々の信仰心です。

人々の祈りにこたえることがシヴァ様の喜び。逆に言うと祈らなければ神様であるシヴァ様はこたえてくれない。そして、信仰心がシヴァ様の力の源になるということは、祈りの強さ、信仰心の強さによってシヴァ様の力が変化する。

今回は主人公の想いの強さが大きな奇跡を生んだという、まさに「信仰による奇跡」を描いているお話でした。

以前もブログで書きましたが、アニメや漫画、ゲームなどの神は「支配」や「制圧」「理不尽」の象徴として描かれることが多く、人の営みにおいて神という存在は邪魔で、最終的に神にケンカを売り、戦う話も多く見られます。

尊ぶべき対象として神を描き、そして真摯な祈りによって助力をしてくれる神様を久しぶりにこういう作品で見たこと、そしてそれが大好きなシヴァ様だったので幸せな気持ちになりました。奇跡も、魔法も、あるんだよ。 

 

このフェイトエピソードのすきなところ

奇跡を描く難しさ

おたくとして様々な作品を見ていても、「奇跡」を描くのは難しいと感じます。それは、基本的にそれらを否定する作品のほうが多いこともそうですし、神仏や魔法、奇跡というものを信じていながらも否定する人が多いことも関係していると思います。どうしても描写される奇跡に対して「調子がよすぎる」という感覚を持ってしまうからです。

ただ神仏を信じる心と純粋な祈りから起こる奇跡は理にかなっていると思いますし、そういうかたちで「奇跡」を描写したことに少しだけ驚きました。

RPGの世界などでは聖女の奇跡のようなことはイベントとして発生しますが、グラブルはファンタジーではありながらも、やはり「スマホゲー」という認識を強く持っていたので、「結構踏み込んだな」という印象があります。

僧侶でもなんでもない主人公の強い願いが起こす奇跡。主人公は世界の特異点だからという描かれ方をしていますが、今後どのように動いていくのか楽しみです。

どんなときにも希望を見つめる

改めて好きだと思ったことのひとつに「主人公がどんなときも希望を信じている」というのがあるなーと思いました。

そして、主人公が信じた希望を世界が否定しないというのが素晴らしいです。今回のフェイトでは、それが「奇跡」という形で世界に聞き届けられました。

以前「性善説の神と性悪説の神」という話を少ししましたが、性悪説の神がいる世界では、やはりどんな希望も世界に否定され摘み取られてしまいます。だから世界が破滅へと向かってしまうと思うのですが、希望を信じる主人公だから起こせた奇跡としても描かれていると思うので、善意の上に世界が成り立っていると感じました。

荒木飛呂彦の漫画術に、主人公は常にプラスで進んでいかなければならないといったことが書かれていたと思いますが、最近だとソシャゲの主人公にもそれが必要なのかもしれないと思いました。

単純にハッピーエンドを多く味わっていきたい年齢にさしかかっているのかもしれませんが(笑)、人や世界を呪い、嘆き、恨むよりも、世界を信じ、人を愛し、希望を携えて道を切り開いていく世界の美しさをきちんと感じていきたいです。

ただこういった作品は気楽で能天気でコントラストが弱く幼稚にとられてしまいがちなので、素敵さをきちんと伝えられるようもっといろいろな作品に触れて考えていきたいです。

 

 

シヴァ様は登場した時から大好きでしたが、シヴァといえばやはり「破壊神」なので、信仰を持つ者として破壊神を好きというのは…と引っかかる部分もほんの少しありました。

今でも多少はありますが、少なくともグラブルのシヴァにおいては、人々の祈りを愛し、その純粋な祈りにこたえ、そして人を救うことに喜びを感じる神として描かれていました。あらためて、個人的にはそれがとってもうれしかったです。

 

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シヴァ様これからもよろしくお願いします!

パーシヴァルさんとシヴァ様を並べる素敵な火パーティーをずっと待ってました!

 

「どうして空は蒼いのかⅢ」のPVに【「神」とは何か】【なぜ「世界」を創ったのか】【「人間」の生きる意味とは】というキーワードがありましたが、今回のシヴァ様のフェイトエピでより一層期待が高まりました。

グラブルの世界観で、どのように神を描き、人の使命を描くのか。とても楽しみにしています。


【グランブルーファンタジー】どうして空は蒼いのか Part.III 予告PV

「年々歳々煩相似り」ではゾーイちゃんが「人の子」の可能性や己の使命について考えていて、あちらも信仰を持つ身としては興味深かったですが、もう少し宗教的な深みがあるともっとよかった気がしていたので、ど空Ⅲがどんなふうになるのかわくわくして待ちたいと思います。

 

軽い気持ちで書いたのに、同じようなことを何度も言っていたらこんなに長くなってしまった…。よいお年を!

 

 

 

*1:疫病に苦しむ市民たちの祈りがシヴァ様に届き、街に顕現。腐敗した神木に棲みついた病魔が街に胞子ばらまいていたことが疫病の原因で、人々はもはや死からは逃れられないほど病が全身をむしばんでいる。ある少年が病床で「きくうしさま…たすけて…」とうわごとのようにつぶやいた祈りが主人公に届き、少年の街へ向かう。街は外から見てもわかるほど死の気配に満ちており、得体のしれない空気に足を止める主人公たちの前にシヴァ様が現れる。シヴァ様は「少年を助けに来た」という主人公に対し、「何ができるのというのか」「力と決意を示せ」と問う。主人公の嘘のない強い思いにシヴァ様が力を貸し、疫病はびこる街に飛び込む!そして夢で出会った少年と無事に対面。少年と会話をし、街の病の凄惨さを目の当たりにした主人公は己の無力さを噛みしめながらも、少年に「希望を捨てたらいけない」と伝えます。その姿を見て、シヴァ様が街の人々に“救い”をもたらすが、主人公の「救いたい」という強い祈りが、「滅びからの再生」というシヴァ様の“救い”の運命を捻じ曲げ、疫病完治という奇跡を街に授ける。